ギブアンドテイク!
□本音は隠すもの
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―凌駕side―
答えを待たずに彼の腕を掴んで中庭を進む。
蔓バラに囲まれた東屋に誘引して、本格的に話を聞こうとした。
そしたら俺をどこぞのイケメンなんて言いやがる。
あんた、今してるそれも度、入ってんじゃないのか?
よく見たら隙だらけ。
矛盾をついたら、断言された。
「ふっ、雰囲気でなんとなく!!」
悪気はなかったが、思わず鼻で笑ってしまった。
「うん?あれ、まてよ…?」
どうやら混乱しているらしい。
焦っている様子が手に取るように分かる。
さて、どうでるか。
「どうして、それを……」
落としていった眼鏡を返しながら指摘してやれば、納得したようだ。
でもこれで終わってはつまらない。
だから、カマをかけてみた。
真性―――…つまりゲイなのか、と。
そうしたら、あっさり暴露された“秘密”。
「ち、違う!俺はただ身体のパーツが好きで―――っあ‥!」
しまった、という顔をするから俺にはバレバレ。
「…フェティシスト?」
「っ……そ、だよ‥」
フェチだったのか。
だから俺と似たようなものを感じたんだな。
そして俺も秘密なるものを1つ。
「俺は腐男子なんだ」
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