ギブアンドテイク!
□チャンス到来!
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―凌牙side―
中庭のベンチはある人の特等席。
その人物がいない今、快適な時間を過ごせるはずだったのに。
…何故こうなるんだか。
俺、保科 凌牙は己の不運を嘆くより先に、目の前の三下へとまわし蹴りを繰り出した。
「ちくしょう〜保科てめぇ、覚えてろよっ!!」
「あんたらにそんだけの価値があるならな」
奇襲してきた6〜7人の雑魚をもれなく全員地面とキスさせた後。
「…ったりぃ………」
寝直せる場所はないかと俺は辺りを見回した。
ふと目に留まった大きな木。
なかなかの安定感と芳しい花の香り。
うん、悪くない。
その根本にどっかりと腰を下ろして寄りかかる。
「ふぁ……」
瞼が重くなるのに、さほど時間はかからなかった。
次に目が覚めたのは、足に鈍痛を感じた時。
また無謀な輩が寝込みを襲ってきたのだろうか。
もちろん、怨恨的な意味で。
愚かな奴もいたもんだ。
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