小説

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なんて自分は醜い人間なのだろう。
醜い、醜い。私は、心が醜い。
きっとこのまま生きていけば、見た目も醜い女になるのだろう。
こんなに醜い女なのだから、選ばれることなんてない。一生ないんだ。
あぁ、寂しい。
必要とされたい。愛されたい。
そんな願いは身の丈にあってない。
私はこのまま、ひとりぼっちで生きていくんだ。
生きていかなければいけない。
それがきっと欲張った罰なのだろう。
愛、などを欲しがったことが罪だったのだ。
なんで、なんでもっと早くに気がつかなかったんだろう!
もう後戻りができない。時間は待ってはくれない。年齢は、重ねていくことしかできない。
今更気がついた。私には何も無い。何ももってない。
人に誇れるものはない。特技といえるほどの特技もない。財産もない。勉強もできない。センスもない。運動もできない。趣味もない。
私は、なぁんにもない。
空っぽ人間。
あぁ、これから私はただ息をするだけの空っぽの器になる。しかも、なにも入らない器だ。
虚しい。虚しい生き物。
生きていたって、どうしようもない。
誰のためにもならない。
なんのためにもならない。

神様、仏様。
どこかにいるのかしら。
それとも死神様。
どうか私を迎えに来て。
はやく、はやく。
ねえ、お願い、私の王子様。
きっと貴方が運命なのよ。



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