小説
□バレンタイン小説!!
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「ですからね?友達の女の仔が今日みたいな日に、まったく接点の無い隣のクラスのどっかの誰かといきなり付き合うことになってたりするんですよ?ちょっと、先輩聞いてます?」
放課後の図書室。そこには二人の人が居た。
一人は、整った顔立ちの少年。
細い髪に白い肌、大きな瞳は茶色である。
見ただけでは少女と間違えそうである。
もう一人は、少女。
特別に美人というわけでも無い、。しかし、なかなか整った顔立ちである。
まぁ、隣の少年と比べるとかすれてしまうが…。
とはいえ、美人である。
そして、少女は先ほどから何かを熱弁している。
…少年はまったく聞かずに、優雅に椅子に座りながら本を読んでいる。
バンッと勢いよく机を叩く少女。
「先輩ッ!!聞いているんですか?」
「うん、うん。君は今日、誰かがくっつくことが許せないんだろう?」
「少し違いますッ!!ですからね…」「うん、うん!!分かった!君の気持ちは分かったよ!」
読んでいた本を膝の上に置き、少年は言う。
パァっと少女の瞳が輝く…事は無く、胡散臭そうに少年を見ていた。
「…嘘、ですよね?」
「確かに僕は、君の言う『隣のクラスのどっかの誰か』の役割についているけれど…」
少女の口からため息が漏れた。