色々
□これは恋じゃありませんようにっ
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『はぁ…はぁ』
激しい足の重みと酸素不足に頭はクラクラしていた
そんな中で余裕に私の隣を走る彼を軽く睨んだ
私にあわせて走ってくれるのもなんだか腹立って
『まだ少ししか走ってないぞ?体力なさすぎじゃないか?』
『毎日、トレーニングしてる貴方とは違うんですッ』
汗だくな私とは対称的な彼はリズムよく地面を蹴っていた足を不意に止めた
私が言い過ぎたことに対して怒りを覚えたのだろうかじっと私を見てくる
冗談のような軽い口調で言ったのだがやはり、気にさわってしまったのだろうか
『オイラが教えてやろうか?』
『えっ!?』
来るであろうと予想していた言葉とは全然違っていて私は驚きの声を漏らした
『だから名無しさん専用のトレーニングをオイラが教えてやるっていったんだ。』
ここは素直に喜ぶべきなのだろうかいやでも、今日みたいについていこうかなくらいの気持ちで挑んだらこんなにハードだったしいやでも私専用っていってたし少しは今日よりはましなのか…?
そんなことを頭のなかで考えているとぽん、と頭に手を乗せられくしゃくしゃっと髪の毛を乱された
『やめてよ…っ』
汗をかいて髪も濡れているのに触らないでほしい
けど、時々してくれるこれは結構好きで拒絶は出来ない
それもきっと知ってるんだろうな
『さて、と…オイラん家で休憩がてらトレーニングするか。』
『…うん。』
以外と近くに彼の家があった
前にお邪魔した時よりトレーニング器具みたいなものが増えてる気がするな
あれは確か随分前にあげたこけしだとかあれもとっといてくれたんだとか思って一人舞い上がっているとスポーツドリンクを渡された
『水分補給しといた方が良いぞ。』
ありがたく受け取って冷たい液体を口に運び飲み込もうとした直後先程の冷たい飲み物とは逆に温かいものが唇に触れた
気が付けば彼の顔が近くにあってこれはどういうことだろう唇に触れているのは彼の唇なのだろうか、なんて混乱している中口内に熱いものがぬるりと入り込んだかと思うと私の舌を捕らえ絡ませた
『んっ…ぁ』
なんだか分からない感覚に身体が震え始め思わずそのぬるりとしたものを噛んでしまった
『つっ…噛むことないだろッ』
『何…してるの?』
『何ってトレーニングだろ。』
目の前にいるこの人は平然とした顔で答えた
あ、口のなか血の味がする咄嗟にしてしまったから結構強く噛んでしまったのだろうか
『名無しさんは体力ないからな。…っ舌いたい』
『っごめん…でもいきなりあんなことされたら誰だって』
『謝るなら…ん』
と、舌を見せてきた
治せなんて治せるわけないじゃないか何をやっているんだ
『さっきオイラがしたことしてくれたら許しても良いぞ』
こいつは何を言ってるんだ貴方があんなことしなければいたい思いしなくて良かったんですよ理解できますかこの筋肉バカ野郎
『言っとくけどするまで帰さないからな。』
『帰りません』
『ハハッ…以外に積極的なんだな』
『っ…』
これは恋じゃありませんようにっ
(まぁ、どっちにしろ帰さないつもりだったからな)
(…逃げるっ)
(逃げても無駄だぞ?)
(ひっ)
(安心していいぞ。テクニックには自信があるからなっ!)
*この話は続きますm(__)m
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