恋の季節の1ページ

□2006年のサンゾロ
9ページ/10ページ



皆が寝静まった夜更け、船上のキッチンにて。


作り終えた夜食を皿に盛る。
味はもちろん、見た目も上出来だ。
夜食にも手を抜かねぇ、さすが一流コックの俺。
自画自賛。


…けれど、俺の手はそこで止まってしまう。

もうすぐ12時。
もう、時間がねぇってのに。


ほんと料理は申し分ねぇんだけど。
料理に合う酒のセレクトも完璧だ。


…だけど、自信がねぇ。


食器棚からグラスをふたつ、取り出したはいいものの。


トレーにグラスをふたつ、並べる勇気がねぇ。


料理を運ぶのは簡単だ。


でも、そこでスマートに笑って
「おめでとう」
を言える自信がねぇ。


ああ、もう、あと3分じゃねぇか。



『あなたの生まれた日まで』

ヘタレサンジくん、ゾロ誕に告白予定。



2007.03.13サルベージ

次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ