恋の季節の1ページ
□2006年のサンゾロ
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夏の花、ひまわり。
その名の由来は、太陽を追いかけるようにして咲くから。
ただ1輪咲いているだけでも、明るい気分にさせてくれる、太陽色の花。
『向日葵と夕暮れ』
蒸し蒸しと暑い、夏の夕暮れ。
帰ってくるなり、冷蔵庫に直行したゾロ。
ただいまのスキンシップもそこそこに、きっと俺より好きであろう発泡酒の缶を取り出した。
プルトップを開ける瞬間の、炭酸の音が小気味良い。
暑い暑い、と唇を尖らせていたゾロ。
発泡酒を一気にあって、笑顔になる。
ただいまのチュウがなかったことも、大目に見てやりたいくらい、可愛い笑顔だ。
毎日見ている笑顔だけれど、つられて、俺も笑顔になっちまう。
「俺、ひまわりみてぇ」
思わず呟いた言葉に、ゾロが呆れた顔を向けた。
「はぁ?お前、ついに頭やられたか。暑さで」
「違ぇよ、馬鹿」
俺がひまわりなら、お前は太陽。
「お前ばっか、見てるってことだよ」
2007.06.13サルベージ