恋の季節の1ページ
□2006年のサンゾロ
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丘の上、しばしの休息。
今だけは、ゾロとふたりっきり。
この上なく素敵なシチュエーションだ。
……この万年寝太郎毬藻が、爆睡かましてさえいなければ。
「おいコラ、起きろー」
何度か起こそうと試みたが、コイツ、瞼ひとつ動かさねぇんでやんの。
折角の、ふたりきりなのに。
「ちっ、クソマリモが」
ひとしきり悪態ついてから、諦めて、ゾロの隣に寝転がる。
しっとりと新緑のにおいを含んだ、柔らかな風。
草原で見上げる太陽は、心なしか優しい陽射し。
春の穏やかな陽気に、俺も目を閉じた。
たまにはこうやって、のんびり昼寝ってのもいいかもな。
お前の隣でさ。
『風の心地よい日に』
2007.06.13サルベージ