恋の季節の1ページ
□2006年のサンゾロ
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「クリスマスパーティーやろうぜ!」
例によってクソ船長のワガママで、急遽開催されることになった、船上のクリスマスパーティー。
どうでもいいけどお前、クリスマスの意味知ってんのかよ?
料理、たらふく食いてぇだけじゃねぇのかよ。
またエンゲル係数あがっちまうじゃねぇか…。
内心毒づきながらも、丹精込めて料理を作る俺。
これは、ルフィのためでも、ナミさんのためでもねぇ。
…アイツのためだ。
行事ごとにゃ、てんで興味なさそうにしてる、ゾロのため。
そういや俺は、この船に乗ってから、ただひとりのためだけに料理を作ったことが無ぇ。
今日が特別な日なら、今日くらい、アイツだけのために作っても、許されねぇだろうか。
なぁ、キリストさん?
心の中で言い訳しながら、卓上に並べた料理は、ゾロの好物ばかり。
ささやかだけど、俺からのクリスマスプレゼント。
美味そうに食うお前の笑顔と、
俺だけに向けられる「ごちそうさま」の言葉。
俺へのクリスマスプレゼントは、それで十分。
甘い恋人だけのクリスマスも憧れるけど。
今は、これが精一杯。
だって、俺たちは、家族だから。
『片恋料理人のクリスマス』
2007.01.01初出
2007.06.13サルベージ
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