短編集

□Toi et Moi
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『図書館の三階自習室、角の二人掛けの机に集合のこと』

 絵文字も何もない、つまらないメール。私は携帯電話を一旦閉じる。まだ三限の途中だ。


「東方キリスト教の発展において」
 この教授の講義は好きだ。優しくて柔らかい、私好みの低音の声が、体に心地良い。しばしば、そのまま眠りへ導かれる。
 それは私だけの感覚ではないようで、大教室のおよそ四割は(といっても、出席しているのが百人弱だ)首をもたげ、あるいは沈んでいる。私もその一人になりつつあった時、机の上に出しておいた携帯電話が振動した。
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