The Song for OWLS

□五、兄妹喧嘩
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「馬鹿か、お前等」
 一喝される。
「はいはい」
 見取り図を直しながら炎響は言う。ホ、ホホと隣で飛鳥が鳴く。
「は?ここ八畳間?」
 ホホウ。
「もっと早く言えよ」
 ホ。
「飛鳥ぁ」
「聞いてんのか、炎響」
 梟と睨み合っている炎響に銀蔵は言うが。
「聞いてません」
 答えたのは光狐。手にはお盆。
「お茶、飲みますか銀蔵さん」
「おう」
「俺も」
「嫌ぁ」
「いい気味だ、炎響」
「銀蔵サンまで」
 はい、と光狐は三人分の茶を入れる。
「っつ」
「馬ぁ鹿」
 ふぅ、と冷まして銀蔵は椀を口に運ぶ。舌を火傷した炎響を光狐が笑う。

「ねぇ、銀蔵さん」
「何だ」
 銀蔵の前に光狐が立つ。
「さっき馬鹿か、って言いましたよね」
「おう」
「その後、お前等、って」
「…言ったな」
 光狐の目付きが鋭くなる。
「私は馬鹿をやってません。最初に阜礼城に入った時に私なら出来た。今日だって、幾らでもやる機会はあった。でも、ことごとく辞めさせられたの、にぃに」
 びし、と炎響を指差す。
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