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□[志]−狂い咲き桜−
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―――雨はザーザーと、止めどなく降っていた。




真っ赤に染め上がり、静まり返った戦場。




そこにはまだ九つか十程の少年が、一人の青年を追い掛けていた。




ふと、少年が足を止める。



言葉はない。




青年は振り返る。
顔は見えない。




『――――、』




青年は何か告げると、また歩いていく。






少年は一人、雨の中で立ち止まっている。





雨は止まない―――。









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