星と恋のSketch book

□19
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ー月曜日ー


憂鬱な気持ちのまま学校へ向かう

梨瑠ちゃんは一君と
付き合ったんだろうな

そんな事を考えると
教室に行く気にはなれなかった



君を知らないフリが出来ていた頃の僕に戻るだけ

そう

思っていたのに






それは随分難しそうだ…













no,19 最終話














屋上に寝転んで空を見た

曇る心とは裏腹に
空は雲一つない晴天だった


沖田「あーあ、会いたいなぁ…」

??「誰に会いたいのだ」

沖田「そりゃ、もちろん、梨瑠ちゃんに!って…一君?!!!」

斎藤「全く、毎度毎度サボるとは…」

沖田「…そう言うなら早く授業行きなよ。僕は君の顔なんて見たくないんだから」

斎藤「奇遇だな。俺もお前の顔なんて見たくもない」



…じゃあ早くどっか行ってよ

一君の言葉に苛々しつつ、彼を見ると去る気はないらしく隣に腰掛けた



沖田「風紀委員が自らサボり?」

斎藤「ふっ、総司を連れ帰ると言えば問題ない」

沖田「性格悪いね」

斎藤「あんたには負けるがな」


沖/斎「……………」



ホント、一体何?

潔く身を引いた
僕にまだ何かあるわけ?

やってられない

立ち上がって去ろうとした



斎藤「……すまなかった」


沖田「何が?」

斎藤「梨瑠が既にお前を好いているのに気付きながら…」

沖田「梨瑠ちゃんが僕を好き?あり得ないよ」



だってあの後も
何にも音沙汰はなかった

本当は少し待ってたけど…

何にもなかったんだ

それは、梨瑠ちゃんが一君を選んだ証拠でしょ?



斎藤「…梨瑠は…暫く学校を休学する」

沖田「は?!全く意味がわからないんだけど」

斎藤「これを…預かっている」



手渡された一枚の手紙




総司くんへ

いっぱい傷つけてごめんなさい
でも、貴方が側に居てくれて
背中を押してくれて
私は、本当に救われました

【貴方の様に強く優しくなりたい】

そう思えるようになりました

昨日、一君にも言ったけど
私は総司くんが好き

いつも側に居てくれて
いつも優しく笑ってくれる
総司くんが大好き


……自信がついたら
告白しに行ってもいいですか?


また、会う日まで。


梨瑠





沖田「…そ、んな…」

斎藤「お前達をこじらせたのは…俺だ…。すまなかった」

沖田「ちょ、梨瑠ちゃんは?!」

斎藤「…もう居ない。既に発った」




沖田「…嘘でしょ…」




斎藤「見ていてくれと言ってたぞ」

沖田「何をさ」

斎藤「【月】で必ず賞を取る、と」







それは確かに僕が君と約束した言葉


《【月】を描いてよ》

《僕をイメージして》



沖田「覚えて…くれてたんだ…」

斎藤「あいつは必ず帰ってくる。その時は…梨瑠を頼む」

沖田「…当たり前だよ…、僕の彼女だしね」







ーーーーーーーーーー

ーーー




それから一年と半年程時は過ぎ去り

僕達は二年生になったが

変わらず梨瑠ちゃんからは

何の音沙汰もなかった



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