星と恋のSketch book
□17
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ー休日ー
雪村「斎藤さん!」
斎藤「すまない、雪村。待たせてしまったか?」
雪村「いえ、今来た所です!」
斎藤「そうか、では行こう」
雪村「はい!」
昼過ぎに駅で待ち合わせしていた俺たちは、そのまま美術館に向かった
no,17 離せない
まず、驚いた事がある
美術館に足を運ぶと垂幕に掲げられているのは
《高坂 忠臣 絵画展》
総司は
一体何を考えているのだ
雪村「高坂?」
斎藤「…ああ、雪村は知らなかったな。芸術家の高坂忠臣は梨瑠の父親だ」
雪村「…そう、ですか」
斎藤「どうかしたか?」
一瞬、雪村の表情が曇った気がしたが…
雪村「…いえ、さ!行きましょう?」
斎藤「ああ」
気の所為だったのだろうか?
特に気にも止めず歩みを進めた
◇・◇・◇・◇
雪村「私、絵心って良くわからないんですけど綺麗ですね」
斎藤「ああ、そうだな」
雪村「…………」
美術館内を見て回る
が、どこにも梨瑠の姿はなかった
入れ違ったか…
残念な様な安堵した様な
何とも言えない微妙な心境…。
雪村「さ、斎藤さん!待って下さいっ!」
雪村に呼び止められ早歩きになっていた事に気が付いた
斎藤「す、すまん、雪村」
雪村「い、え、…」
息を乱す彼女に募った罪悪感
雪村「え?あれってもしかして梨瑠ちゃん??」
雪村の視線の先に目をやると
斎藤「梨瑠だと?」
っ!!
いつもと違った、俺の知らない
梨瑠がいた
.