星と恋のSketch book
□17
2ページ/2ページ
髪型は緩くサイドにまとめられ、前髪は流れる様に顔に沿っている
端整な顔立がはっきりとわかり、
服装は白とブラウンが基調になっていて梨瑠に良く似合っていた
総司の趣向か?
愛らしい…
素直にそう思ったが
湧き上がるは黒い感情…
《俺の知らない梨瑠など認めない》そんな…醜い気持ち
嫉妬に狂いそうになっていると、目に入ったのは梨瑠の表情
大きな瞳からは
ポロポロと涙が溢れていた
俺は
斎藤「何をしているっっ!!!」
総司に叫んでいた、
雪村をそっちのけにして…
*・*
沖田「なっ……」
斎藤「梨瑠を泣かせる奴は許さんと…言った筈だ」
考えるより先に動いた身体
俺は梨瑠の前に立ち彼女を背に隠していた
梨瑠「…違…」
斎藤「やはり、お前には梨瑠を任せておけん」
沖田「ちょ?!」
雪村「斎藤さん?!」
梨瑠「ひぁ?!」
総司や雪村の事など考える余裕など俺には残っておらず
ただ、手にある
小さな温もりを離したくない
…否、離せない
その想いが全てでその場を去った
ーーーーーーーーーー
ーーーー
すまない、梨瑠
俺は、もう…
己に嘘はつけぬのだ…。
どんなに
お前が傷付いても構わない
…梨瑠を失いたくない…
.