星と恋のSketch book
□15
1ページ/3ページ
今日は総司くんと出かける日
目的地は美術館で
私は待ち合わせ場所に向かっていた
no,15 終わりの始まり
10分前に待ち合わせの場所に着いたのに、そこには既に総司くんが待っていて
…数人の女の子に囲まれていた
*・*
梨瑠「…………うーん…」
遠めから彼を見て痛感した事がある
いつも一緒に居てたから特別意識してなかったけど、総司くんって…ホント凄い美形だ…,
どうして私何かを選んでくれたのか不思議で仕方ない
それにしても、
………声かけずらいなぁ…
とか、思っていると
沖田「あ!梨瑠ちゃん!!こっち、こっち♪」
私の思考など、全く知る由も無い彼はニコニコと笑いながら手を振っている
そして女の子を振り払い嬉しそうに此方へ向かってきた
梨瑠「ま、待たせちゃってごめんね」
沖田「ううん、全然!!」
終始、笑顔でご機嫌の彼。
だけど背後には、女の子達がピッタリとくっついてくる。
そして私を上から下まで舐めまわす様に見定めると、
女1「ちょっと何この女?」
女2「あはは!ダッサい格好〜!」
女3「ねぇねぇ、こんな子より達と遊びましょうよ♪」
………。
確かに私はオシャレや流行に物凄く疎い…。女の子達の言葉が図星なだけに視線も言葉も心に刺さりズキズキした
すると
沖田「君たちさ、さっきからホント鬱陶しいんだけど。自分が醜い顔してるからって嫉妬するのやめてくれない?ちなみにこの子は僕の彼女だし、世界一可愛いから。これ以上彼女を悪く言うなら、今この場で喋れなくしてあげようか?」
えーっと、
貴方は沖田総司君ですよね?と、尋ねたくなる程別人の様に冷たく吐き捨てる総司君
もちろん、女の子も唖然と立ち尽くしている訳で…
沖田「さ、梨瑠ちゃん!行こ♪」
梨瑠「う、うん!」
コロッと表情を変えた総司君は私の手を取りスイスイ歩いて行く
だけど、速度はゆっくりで
人混みでは背に隠してくれる
人の隣を歩くのがこんなにも心地良いものなんだと知った
ーそんな時ー
ふと、ガラスに映る私達を見た
背が高く、端整な顔立ちにオシャレな総司
洒落っ気も化粧っ気もない私
間違いなく不釣合い
一度そう思ってしまうと歩くスピードはどんどん遅くなってしまう
沖田「ん?梨瑠ちゃん?どうしたの??疲れちゃった?」
こんな時まで私を気遣ってくれる総司君
優しくてカッコいい何て完璧過ぎるよ…。
梨瑠「…ねぇ、総司君。私と居て恥ずかしくないの?」
沖田「…どうしてそんな事言うの?」
梨瑠「だって…私は…」
沖田「さっきの子達の言葉を気にしてる?」
梨瑠「…そうじゃないの。私、総司君に釣り合ってないんじゃないか、って」
沖田「僕に?」
梨瑠「総司君は優しくて、カッコ良くて完璧でしょ?それに比べて私は……」
…はぁ、何だか自分で言いながら悲しくなってきた。
沖田「あはははは!!」
梨瑠「へ?」
爆笑?なにゆえ??
ぁ、一君の口癖が……。
沖田「ごめん、ごめん!何か嬉しくてさ♪」
梨瑠「嬉しい?」
沖田「うん!やっと梨瑠ちゃんが僕を見てくれたなぁって思って」
梨瑠「ずっと見てるよ?」
沖田「うーん、まぁ、ちょっと違う意味なんだけど!とにかく自信がないんだよね?」
梨瑠「…うん…」
沖田「よし!梨瑠ちゃん、美術館の閉館まで時間ある?」
梨瑠「?うん、まだまだあるよ??」
沖田「寄り道しよ!僕的にはそのままで十分なんだけど、梨瑠ちゃんが落ち込む位なら、如何に君が可愛い女の子かって事を僕が証明してあげる♪」
梨瑠「きゃ?!そ、総司君?!」
沖田「行こ行こ!」
こうして、私は総司君に手を引かれショッピングモールへ向かった
梨瑠(私にとって初のショッピングモール!!)
ちょっと、ドキドキ……
.