星と恋のSketch book

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俺は何を言ったんだ…

総司に言った言葉など、ただの嫉妬に過ぎない


ずっと俺と共に居て、成し遂げられなかった事を総司と叶えて欲しくない

そんな醜い俺の勝手な想いだ


梨瑠の才能も絵への愛情も
俺は良く知っていたのに…。


呆然と立ち尽くし、状況をやっと頭で理解すれば勝手に動く足

 





…すまない…梨瑠、

…俺は…何と愚か事をーーーー






no, 14 嫉妬心













こんなに全速で走ったのはいつ振りだ?

今は一分一秒が惜しい

一心に梨瑠を追いかけた



*・*



ー居たー



総司と共にいる彼女を見て焦りに混じり、苛立ちを覚えた

二人に呼びかけようとした…


斎藤「そ…


その時ーーーーー


沖田「僕と付き合ってよ」



………な………

…何…だ…と……?



総司は俺の動きを制する様に鋭い目付きで睨みつける

そして直ぐ様、梨瑠の背を俺に向け見せつけるかのように近付いて行く



沖田「…君の隣を僕に頂戴」



やめろ…


頼む…梨瑠、


………いかないでくれ…


俺は…お前を…



梨瑠「…宜しく、お願いしま…す…」




梨瑠の返答に
目の前が真っ暗になった

口づける二人…



梨瑠を抱きしめる総司がニヤリと笑った




《もう、君は不必要だよ》




と、言われた気がした





ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーー




どれほど時間が経ったのだろう

授業はいつ終わった?

時間の感覚すら分からない





…ん

…さん

雪村「斎藤さんっっ!!!」


斎藤「っ!雪村か…すまない、どうした?」

雪村「どうかしたの?元気がないように見えて…」

斎藤「…いや、何でもない」

雪村「何かあったら言ってね?」

斎藤「…では、雪村、あんたは俺を好いているか?」

雪村「はい!私は斎藤さんが好きです」


斎藤「平助よりも?」

雪村「え?平助君??」


斎藤「…気にするな、何でもない」
雪村「斎藤さん、こちらを向いて下さい…」


斎藤「?」







…ちゅ

斎藤「!!」








雪村は顔を真っ赤にさせて自身の小さな唇を俺の唇にそっと重ねた


斎藤「///////なっ!」

雪村「/////ご、ごめんなさい!!」

沖田「あっれ〜?風紀委員さんが不純異性交友してる〜♪」




今一番見たくない、聞きたくない、嫌な声の主に目をやった




雪村「沖田さん!!?それに…えっと?、もしかして高坂さん??何だか雰囲気が…」

梨瑠「///こ、こんにちわ」
沖田「ぁ、千鶴ちゃん!ダメだよー?梨瑠ちゃんは僕の大切な彼女なんだから♪」

雪村「そうだったんですか?!わぁ、おめでとうございます♪」

沖田「ありがとう♪梨瑠ちゃん可愛いでしょ??イメチェンさせちゃったv」

雪村「はい!すっごく可愛いです!!!」

梨瑠「///ゃ、そんな!!全然そんな事ないです…」

雪村「何だか高坂さんて…、小さいし仔ウサギみたいで、…可愛い…」

沖田「ちょっと!千鶴ちゃん?そんなに目をキラキラさせても梨瑠ちゃんはあげないよ?」

雪村「愛らしい女の子は皆のものです!!よって私にも愛する権利があります!!ねぇ?斎藤さん!」

斎藤「何故、そこで俺に振るのだ…」



確かに…愛らしいが

そんな事は当の昔から知っている



沖田「どう?一君?梨瑠ちゃん可愛いでしょ?」



こいつは…っ、

嫌味のつもりか…?

本当に性格のひん曲がった奴だ



斎藤「あ…
梨瑠「総司くん!!もう、行こう??あんまり恋人同士の邪魔しちゃ悪いよ!ね?」

沖田「うん、そうだね♪帰ろっか!じゃあね、一君に千鶴ちゃん」

雪村「さようなら」

梨瑠「さ、よなら!」





バタバタと帰って行く二人



梨瑠に《愛らしい》と言ってやれなかった事を内心悔いていると…




っ!!




梨瑠が

今、

ほんの一瞬だがこちらを見た






その表情は悲しそうに、今にも泣きそうに歪んでいた






何故、その様な顔をする?

あんたは
総司を選んだのだろう?




斎藤「……雪村、明日の休みは美術館に行かないか?」 



俺は……

…何を、言っているのだ…

己の台詞だが…





雪村「美術館ですか?」

斎藤「あ、ああ。どうだろうか?」



……止まらない




雪村「是非!ご一緒に行かせて下さいっ♪」






俺は…

一体、何をどうしたいんだ…






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