星と恋のSketch book

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ー翌日ー



何となく嫌な予感がした俺は梨瑠の学校まで彼女を迎えに行く事にした


し、少々、その…気恥ずかしかったが校門の近くで待っていた


すると…


女徒「きゃはははは!待てよ!!クズっっ!!!」
女徒「はい!捕獲〜♪」


女三人に連れて行かれる梨瑠

その場で斬り伏せたい気持ちを必死に抑えながら

俺は尾行する事にした



◇・◇・◇



ー公園ー



…不味い…

見失ってしまった



だだっ広い公園を走って探す

焦る気持ちと裏腹に中々梨瑠を見つけられないでいた



ーーーーーーー



女徒「もうマジウザい!死んでよ、気持ち悪いなぁ」


醜い声が響き渡る


女徒「そうそう!あんた見たいなクズ死んでも誰も悲しまないよ?」




声を頼りに向かうと地面に膝を突き、ずぶ濡れになっている梨瑠の姿

子供ながらに
殺意とゆうものを初めて感じた



斎藤「貴様らか。梨瑠に手をあげた奴は」


女徒「はぁ?!あんた誰…って」

女徒「え?!まさか…隣小の…」
女徒「嘘でしょ?!なんで?!」




俺を見るや否や顔を赤らめる女達




斎藤「質問に答えろ、貴様らか?梨瑠に手をあげた輩は」

女徒「ち、違いますぅ!」
女徒「わ、私たちはお友達で、ふ、ふざけて遊んでただけですぅ♪」
 


こ奴らは馬鹿か?

そんな戯言信じる訳がないだろう



斎藤「ほぉ、では俺もあんた達と遊んでやろう」

女徒「え?」



俺は背にしょったケースから竹刀を取り出し女共に向けた



竹刀はヒュン、ヒュンと風を切り、何度も女達の鼻先スレスレで行き来する




斎藤「どうした?遊びなのだろう?楽しむといい」

斎藤(それとも、その醜い心と同じ様に顔も歪めてやろうか?)

女徒「ぁ"…ぁ…もう…やめ…


梨瑠に聞こえない様に耳元で囁けば女達は青ざめながらガクガクに震えて、涙を流す


ーその姿は正に滑稽ー


ふっ


全く、醜い奴らだ


泣けば全て許されるとでも思っているのか?




斎藤「…やめてほしいか?」



俺の問に三人はコクコクと頭を振る




女徒「ヒッ…




竹刀をピタリと首筋に当てた




斎藤「覚えていろ。梨瑠を傷つける奴はこの俺が容赦しない。明日、クラスメイトにも重々伝えておけ」


女徒「は、…はい!!!」


斎藤「…目障りだ。さっさと消えろ」




バタバタバタバタっっーー




我先にと一目散に女達はその場を去った




梨瑠「…一君…」


斎藤「すまない…遅くなってしまった」


梨瑠を抱き起こし顔の泥を拭うとピクリと一瞬震えた瞳と肩

…一瞬

確かに一瞬だが、先ほどの俺の振る舞いに梨瑠が恐怖を抱いた事は間違いないだろう



梨瑠「……一君…あり…が…っ…ぅ…ヒック…


気が付けば俺は梨瑠を抱きしめていた






俺、は…一体…何をした?



…あの時…



確かにあったのは【狂気】

ただ、目の前の者を痛めつける快感に酔いしれた愚者




俺も、奴等と同類なのか…?




どんなに【優等生】を演じても所詮は薄汚れた奴らから産まれた身

血は争えないのだろうか……







ぎゅっと梨瑠を抱きしめ背中を摩る

頭を撫でて

斎藤「大丈夫だ、梨瑠。あんたは俺が守る、約束する」

と、言った

梨瑠「…あ…りがとう…」





違う



違うのだ



俺はお前に
礼を言われる価値などない



醜く薄汚れた俺



どんなに傷つけられても他を責めず美しい絵を生み出すお前



可哀想なのは梨瑠じゃない



俺だ。




だが、俺はあんたの側にいたい

ずっとずっと、お前の側に居てあんたの創り出す美しい世界中を見ていたい

誰でもない俺が…



梨瑠を守りたい、確かにそう思った


ーーーーーーー

ーー




そして、俺達は中学に上がり梨瑠に恋心を抱くも中々伝えられずにいた



ずっと側に居たのだ

俺が彼女に一番近い男



だが、もし…梨瑠が俺を選ばなければ?


万が一想いが通じ合ったとして、彼女が醜い俺を嫌わないと何故言える?




俺は真近で見て来た筈だ




男女の【愛】は永遠には続かない



ならば…




それならば………







このままの方がいいのではないか



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