星と恋のSketch book

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〜総司sibe〜


梨瑠ちゃんは突き放す様な言葉を、僕は釘をさす様な言葉を一君に言った日から二人は避け合う様になった


最初はさ…正直、罪悪感もあった


だけど


悲しみに顔を歪めて

ただ、無心に絵を描く君を隣で見ていると

不思議と満たされたんだ。


……僕は歪んでるかな?


だって…、
君の隣にはもう一君は居ない


…それが何より…嬉しかったんだ。




ーーーーーーー



沖田「梨瑠ちゃん♪」

梨瑠「ぁ、総司くん!」

沖田「お昼食べよ?」

梨瑠「うん!」




梨瑠ちゃんの隣を歩くのも、一緒にご飯を食べるのも今や君の隣は全部僕のものだ




なのに…、


どうして…






……君は、一君を見つめるの?




沖田「ねぇ、梨瑠ちゃん聞いてる?」

梨瑠「ぇ?ぁ、ごめんね、何?」

沖田「ううん、何でもない…」








もう嫌だ

僕を見てよ

僕を好きになってよ…




《君の隣が僕のものになる》




それだけで良かった筈なのに
【欲】はどんどん僕を支配する



日に日に梨瑠ちゃんへの想いが募っていく僕に


ある日チャンスが訪れた





◇・◇・◇




その日も僕達は美術室に居た

もはや日課だね



梨瑠ちゃんは絵を描いて

僕はモデルをしたり、おしゃべりしたりしていた。




バタバタっっーーーー


バタンっ!!



先生「高坂さんっ!!探したわ!」


息を切らした先生が美術室に駆け込んで来る



梨瑠「先生?」

先生「高坂さん!これに応募してみない?」




先生の持つプリントには

【高校生絵画コンクール】

と書かれてあった




梨瑠「…でも…」

先生「貴女の絵、最近凄く素敵よ?何だか温かい気持ちになるわ。

…愛しい彼のお陰かしらね?」

梨瑠「//////っな!?」


そこで赤くなられちゃうと期待しちゃうんですけど…


先生「とにかく考えてみて?ね!」

梨瑠「は、い…」


じゃあ頑張ってね、と残し先生は去って行った


*・*



沖田「ねぇ、梨瑠ちゃん!挑戦してみなよ♪」


僕は笑って梨瑠ちゃんにコンクールの申込用紙を手渡す


梨瑠「…けど…」


不安気な梨瑠ちゃんの顔


沖田「コンクールの絵はさ、僕をイメージして描いてよ!」

梨瑠「総司くんを?」

沖田「うん、ね?」




…どうしても一君より
君の【特別】になりたいんだ




もし、


このコンクールで君が賞を取れたら


僕は君の【特別】になれる、そんな気がした


…僕を…見てくれる気がしたんだ





梨瑠「……やってみる、挑戦してみるよ!」



僕の邪な心なんて何にも知らないで、ふにゃりと笑って僕を見つめる梨瑠ちゃん


堪らず


ぽんぽん




梨瑠「?」



僕は梨瑠ちゃんの頭を撫でた



沖田「ねぇ、覚えてて?この先何があっても、世界が君の敵になったとしても僕は絶対に梨瑠ちゃんの味方だから」

梨瑠「…総司くん…」




君のお父さんの事や絵の事も、一君に聞いた

それでも…

僕は

君の中で一君より【特別】になりたい





梨瑠「ありがとう」








 

お礼何て、言って貰える資格なんかないのに

梨瑠ちゃんは言った






…僕の大好きな笑顔で。




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