星と恋のSketch book

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梨瑠ちゃんのマンションを出ると

入り口の横の壁にもたれて立つ一君がいた




沖田「…一君…」

斎藤「総司、梨瑠は…

沖田「送って来たよ」

斎藤「そうか」




やっぱりさ、

一君は梨瑠ちゃんが好きなんじゃないの?

鈍いから気付いてないだけでさ




沖田「ねぇ、一君」

斎藤「なんだ」

沖田「君は千鶴ちゃんが好きなんだよね?」

斎藤「無論だ」




だけどハッキリと断言する一君

僕、今チャンスあげたからね?

その言葉覚えててよ?





沖田「じゃあ、もう梨瑠ちゃんに近寄らないで」

斎藤「何故…

沖田「はぁ…。…考えてもみなよ、一君は千鶴ちゃんの彼氏でしょ?そんな君が梨瑠ちゃんや他の女の子に執着すれば傷つくのは誰だと思う?」

斎藤「しかし、雪村は…

沖田「何?千鶴ちゃんは優しいから幼馴染の梨瑠ちゃんに構っても許してくれるって言いたいの?そんなわけないでしょ。一君は傷つかないわけ?千鶴ちゃんが平助や他の奴を君より優先しても」

斎藤「…………」

沖田「わかったら梨瑠ちゃんには近寄らないで」

斎藤「総司、あんたは本当に梨瑠を…

沖田「好きだよ。僕は真剣に梨瑠ちゃんが好きだ」







だからさ、一君

君の存在は何よりも邪魔なんだ





梨瑠ちゃんの涙を見て決心がついた





もう迷わない







梨瑠ちゃんは僕が貰うよ








君はさっさと千鶴ちゃんの元へ帰りなよ







斎藤「…総司、梨瑠を宜しく頼む」

沖田「一君に頼まれる云われはないけど当たり前だよ」












一君と別れた僕の頭上には月が出ていた






その月は嫌味な程綺麗に輝いていて






まるで僕の薄汚い心を所を照らしているみたいだった








梨瑠ちゃん




ごめんね




でも僕だって

一君にチャンスをあげたよ?








…もう、戻れそうにないんだ






僕は君が…好きだ…





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