星と恋のSketch book

□07
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君が一君を好きなのを知ってて


こんな事を言う僕は


狡いかな?










no,07












梨瑠「沖田君!待って下さいっ!沖田君!!!」



私の手を引いて颯爽と歩く沖田君。背も高く足の長い彼に、私は小走りで何とかついて行った。

だけど、視線が…、特に女の子の視線が痛すぎてこのまま消えてしまいたくなる…




沖田「無理矢理引っ張って来てごめんね」


そう言いながら顔を歪める彼に連れて来られたのは立ち入り禁止の筈の屋上


梨瑠「いえ…」


立ったままなのもアレなので、とにかく今日は来る途中、立寄った教室から持って来たお弁当を広げた


沖田「強引でごめん。でもね、嫌でしょ?一君と千鶴ちゃん見ながらご飯食べるのなんか」

梨瑠「え?」

沖田「…君分かりやすいから一君が好きってバレバレだよ?ま、肝心の一君は鈍感だから気付いてないけどさ」

梨瑠「…でも…、もういいんです」

沖田「諦めるの?」




僕の問いに視線を落す梨瑠ちゃん


大抵の女の子は決まって同じ台詞を言うよね



好き人が幸せなら〜

私はずっと諦めません〜

とか。





だけど、君の言葉は違った







梨瑠「……一君は私を良い子って言いますけど、本当は全然良い子じゃないんです。
むしろ性格なんて歪んでいて醜いんです。
…どうせ、叶わないならいつか…、一君が私を選ばなかった事を悔いるくらい…良い女に…なります」





絵を描く時と同じ
真っ直ぐで強い瞳で僕を見る君


どうして君はそんなに僕を翻弄するの?そんな事言われちゃ見たくなる


…その光景を見てみたい
 

一君が君を手に入れられなくて顔を歪める瞬間


その時隣にいるのは…



…一体誰だろう…?




沖田「そっか!うん、頑張って?僕も協力するし、応援してるから」

梨瑠「きょ、協力?」

沖田「うん!だから今日の放課後、僕に付き合ってね!」

梨瑠「ぇ?ぁ、はい?」



ニコニコと笑う沖田君

何だかよくわからないけど






お友達が増えたって…

思っていいのかな?






梨瑠「あの…沖田君はどうして…
沖田「梨瑠ちゃんに構うかって?」


コクリと頷いた


だって私は可愛くないし…根暗いタイプだと思う

その点沖田君はカッコ良くて話安くて、こんな私にさえ優しい

もっと可愛くて良い子…

例えば、雪村さんみたいな女の子の方が釣り合うと思う



沖田「君と仲良くなりたいからだよ♪それに僕達は、もう友達でしょ!」







にっこり微笑みながら私の頭を撫でる沖田君




…嬉しい…




素直にそう思った

今日、新しいお友達が増えた日でした




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