星と恋のSketch book
□05
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先生「今日のお題はフリーです。好きな物を描いて下さい。優秀な作品を学年で2点、コンクールに出品します。頑張って下さいね」
梨瑠「フリー…」
自由課題ならば【空】を描く
私の頭にはそれしかなかった
沖田「ねぇ、どうしていつも空なの?」
私の下描きを見て沖田君が言った
梨瑠「…昔…、初めて描いた絵を褒めてくれた人が居たんです。その人が…
no,05 空が見たいと言った
私は人見知りだし、可愛くないし、友達何て呼べる人は小学生になっても居なかった
でも、私のマンションの隣に住んでたお兄ちゃんが可愛がってくれたから寂しくなかったし
あの日も、お兄ちゃんと公園に行って絵を描いてた
◇・◇・◇・◇
兄「お前は本当に絵がうめぇな?感心すんよ」
梨瑠「そ…かな?」
兄「ああ、将来絵描きになれよ」
梨瑠「絵描き…かぁ。なれるかな?」
そんな他愛ない話をしている時
??「土方さんですか?」
一人の男の子がお兄ちゃんに声をかけて来た
土方「お?斎藤じゃねぇか!」
斎藤「ご無沙汰してます」
土方「久しぶりだな!!元気だったか?」
斎藤「はい」
【斎藤】と呼ばれた男の子の顔を見る事もなく
私は黙々とスケッチブックに筆を走らせていた
斎藤「土方さんは何を?」
土方「俺か?俺は未来の大物絵描きの絵を見てんだ」
斎藤「絵描き…」
土方「あいつはすげぇぞ?絶対絵描きになる。俺はそう確信してる」
お兄ちゃんが大袈裟に絶賛するものだから恥ずかしくなった私は
梨瑠「//////もう!お兄ちゃん!!止めて下さいっっ!」
そう言って振り返った
お兄ちゃんの隣に居る斎藤君と目が合った
彼の蒼くて強い真っ直ぐな瞳
一瞬
たった一瞬見ただけで
彼の瞳に
心ごと全て捕まってしまった
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