星と恋のSketch book
□03
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〜斎藤side〜
梨瑠「一君、頑張って!」
いつも、あんたは微笑みながらそう言って俺を支えてくれる
剣道の試合も
受験や試験の時も
様々な場面の中で
どれだけ俺が救われて来たかあんたは知っているか?
no,03
朝、梨瑠に結果報告をしようと何時もの場所へ向う
しかし、彼女は来ない
連絡をしようと取り出した携帯のイルミネーションが光っている事に気付いた
差出人:梨瑠
件名:Re
先に行きます!
これからは別で行こ、ね。
-END-
斎藤「何故…」
ーーズキっーー
淡白なメールに胸の奥がチクリと痛む
斎藤「とにかく、行く…か」
胸の小さな痛みを
掻き消すかの様に早足で学校へ向かった
◇・◇・◇・◇
風紀委員の俺は教室に荷物を置くとすぐ校門へ向かう
すると、雪村と……
雪村「斎藤さんっっ♪♪」
斎藤「//////、お、おはよう」
雪村「おはよ!何だか照れちゃうね」
斎藤「そう、だな」
藤堂「照れるってなんで?」
幼馴染の平助が登校してきた
雪村「ぁ、平助君にまだ言ってなかったよね?私、昨日から斎藤さんとお付き合いしてるの」
藤堂「はぁぁぁぁ?!!!」
平助は途端に俺をキッと睨む
……何故、俺があんたに睨まれなけばならんのだ
斎藤「…お、
雪村「ちょ?!平助君?!!」
藤堂「千鶴、さっさと教室行くぞ」
雪村「うん…、ぁ、斎藤さん!また後で!」
斎藤「あ、ああ」
俺の声を遮る様に平助は雪村の手を引き校舎へと消えた
雪村、あんたの隣は
……俺ではないのか?
悶々と嫌な気持ちが己を支配する中で携帯が震えた
差出人:雪村
件名:
今日、一緒に帰りたいです(*^^*)
-END-
こんなメールを見るだけで頬が緩む
斎藤「単純だな。俺も」
??「誰が単純だって??」
声の主に目をやると
斎藤「今日は遅刻せず来れたのだな」
沖田「まぁね、たまにはね♪」
斎藤「…たまには、ではなく毎日遅刻せずに…
沖田「あー!もー!ハイハイ、わかりました!!」
腐れ縁の友人、そして壊滅的な遅刻魔の総司が珍しく遅れず校門を通った
先程も言ったが遅刻など…(以下略)
沖田「そう言えば告白は上手く言ったわけ?」
突然出された話題に顔に熱を持つのが分かった
斎藤「///////あ、ああ…」
沖田「あっそ。つまんないや。おめでとー」
全く感情の籠っていない祝い
まぁ…別にいいのだが
沖田「まぁ、あの子と一君はずっと一緒に居たもんね。今更恋人になっても違和感0、か」
斎藤「む?話が見えないのだが」
雪村と共に?
沖田「は?ずっと一緒に居たじゃない。真っ黒の髪の、確か…えっと…」
斎藤「もしや梨瑠の事か?」
沖田「そう!そう!その子!!」
こいつは何を言っているのだ?
梨瑠は友人
しかも、特に大切な友人だ
斎藤「生憎だが梨瑠は友人だ。誤解をするな、俺と変な誤解をされれば梨瑠が可哀想だろう」
沖田「は?」
全く理解しかねるな
それに…
斎藤「//////っ、それに、俺の女は…雪村だけだ…」
沖田「…あっ…そ。ま、おめでとう」
つまらなさそうに、それだけ言うとヒラヒラと手を降り総司は校舎へと姿を消した
ーーーーーー
風紀の仕事を終え教室に着くと、先に来ている筈の梨瑠はまだいなかった
斎藤「もう、予鈴が鳴るが…」
何かあったんだろうか?
キーンコーン…
心配になってくると丁度鳴る予鈴
暫くすると本鈴が鳴る前にするバタバタと言う足音がした
ガラッーー
沖田「セーフっっ!!!」
梨瑠「お、沖田くん、早過ぎますっっ!」
何故…、梨瑠と総司が共にいる?
何故……手を繋ぐ?
ズキっと再び痛む心
何なのだ
この、痛みは……
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