星と恋のSketch book

□03
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沖田「ね?間に合ったでしょ?何事も諦めちゃダメだよ」

梨瑠「はい!いい勉強になりました」

沖田「あはは!大袈裟だなぁ?」



沖田総司君


いつも女子に囲まれて黄色い声援を受けている彼


うん


何となく分かる気がした

だって人が苦手な私でも不思議とスラスラ話せてしまう。




だけど席に着くと隣には






一君





斎藤「…先に来ていた筈では?」

梨瑠「来てたよ、学校には」

斎藤「そうか」



一君、不機嫌だな

何か、あったのかな…



梨瑠「どうしたの?」

斎藤「何がだ」

梨瑠「不機嫌だから。…雪村さんと上手くいったんでしょ?」



斎藤「…ああ」



何を絶望の答え合わせをしてるんだろう


こんなにかっこ良くて素敵な人に告白されて断るわけがない


わかってたじゃない



梨瑠「お…めで…と
沖田「ねーねー!!一君!僕と席変わってよ?」



私の震える声を遮ったのは沖田君だった



斎藤「……何だと?」

沖田「僕の席って一番後ろで黒板見にくいんだよね!一君、学級委員だし、ね?いいでしょ?」



一君はちらっと私を見て



斎藤「わかった」



と言った



まただ、



ガラガラと崩れてく



いっそさ



粉々になって痛みも何にも感じなくなればいいのに…



沖田「…これで、少しはマシでしょ?」



視線を落とす私の頭を撫でながら、そんな言葉が降ってきた



梨瑠「へ?」


沖田「早く放課後になればいいのにね♪」



にっこり笑う彼を見て





初めて泣きたいと思った




ねぇ、一君。




貴方の隣は私じゃない


それを受け入れて笑える日は


いつかくるんでしょうか…。




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