My Love Story Song
□誰か嘘だといってほしい。
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『…………?』
え?今この人…何ていった?トラ…なんだっけ?
「トラファルガー・ローだ!!!」
お客の誰かが叫んでいる。
そうそうトラファルガー・ロー…。外国人かっ!!
『ってツッコんでる場合じゃないし!!』
「………なぁベポ…。コイツ頭大丈夫か?」
トラファルガー・ロー。
そう名のった、私の目の前にいる男はベポにとても失礼なことを聞いている。
「僕と別れた時までは大丈夫だったよ!?」
『ベポ、酷い…』
「あわわわわッ!!ごめん美愛!!」
「おい!!俺を忘れて呑気に話とはいい度胸じゃねぇか!!」
もう一度、海賊の男が私に銃を向けてきた。
……あれ?さっきと距離感が違う。
たしか私は海賊のすぐ前にいたはずなのに、今はトラファルガー・ローの目の前…すなわち入り口近くにいる。
代わって、海賊の前には酒のビンが置いてあり……いや、粉々にくだけ散っていた。
まるで私とビンの位置が入れ代わったみたい。
「俺が話してるのに考え事とは、とことん癪に障るやつだなァ。とそこのお前…俺の邪魔をしたな?トラファルガーだか何だか知らねぇが、まずはお前から片付けてやる!!」
そう言って海賊は銃口を私からトラファルガー・ロー移した。だけど向けられた本人は一向に焦る様子がない。
「ほォ…オレを知らないとは…。馬鹿な海賊だ。気を楽にしろ、すぐ終わる」
そう言い、ニヤっと笑った彼は
「“ROOM”」
海賊達の周りに円のようなものができ、刀で……斬った。
海賊が斬られる瞬間、私は咄嗟に目を閉じた。人が斬られるところなんて頼まれても見たくない。
「うわぁ―!!!!
なんじゃこりゃ―!!!」
…………なんじゃこりゃ?
斬られたのに、その反応はおかしくない?
恐る恐る目を開けてみると、そこに体がバラバラになっているが喋ってる。というなんとも奇妙な海賊の姿があった。
『なにこれ…』
あり得ない。
信じたくない。
だけど…今目の前にある光景は科学で説明できない。"非"現実的。
『ここは…私のいた世界じゃない…』
直感でそう感じた。そうだとすれば、全てつじつまが合う。
私を大きな不安が襲う。
日本に帰れない。
この世界では一人ぼっち。
「おい…大丈夫か」
『………あ!大丈夫です!!…助けて頂いてありがとうございました!!』
トラファルガー・ローが、まだ体がバラバラでぎゃーぎゃー言っている海賊を放置し、私に聞いてきた。
…助けてもらったんだよね?
"異世界"に来た。というショックで意識が飛びそうだったが、私はベポの仲間である彼にお礼を言った。
「ベポのお気に入りだったから助けたまでだ。気にするな」
「美愛!!もう大丈夫だよ!!」
『ベポありがとう!』
「僕は何もしてないよ?」
『ううん、だってベポがトラファルガーさんを連れてきてなかったら、私殺されてたでしょ?だから!!……でも私が銃を向けられた瞬間にお店に来るとはね』
「え?僕達、初めからいたよ??」
『……え?気がつかなかった』
って大事なことを忘れていた。
『あなたは何者?さっきのは……何をしたの??』