My Love Story Song
□これは運命ですか?偶然ですか?
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『………ここは……どこ?』
目を開けると、そこは海。
………いやいや、おかしいおかしい。
私はボイトレに行こうと、街を歩いてたわけで。だって東京のど真ん中。海なんてあるわけない…。
『これは夢…悪い夢…』
悪い夢なら早く覚めて欲しい。自分の頬っぺたをつねってみる。
『痛っ!!………覚めない』
景色は変わらなかった。どうやらこれは夢ではなく現実。
辺りを見渡すと、少し離れた場所に街が見えた。
ここでずっと立っているわけにもいかない。私は街へ向かった。
街は"日本"とはいえない風景だった。建物も売っている物も…。まるで異国のよう。看板等の文字もすべて英語。
しかし、住人が話している言葉は日本語。
『どういうこと…?』
こんな街、日本に在っただろうか。
とりあえず情報収集しなければ。
私は果物や野菜を売っているお店(八百屋さんだろうか)の気立ての良さそうなおばちゃんに声をかけた。
『あの…』
「ん?なんだい?」
『いきなりこんなこと聞くのはおかしいとは思うんですが…。ここは何処ですか?』
すると案の定、おばちゃんは豪快に笑いだした。
「あっはっはっは!!!何を聞くかと思えば……ほんとにおかしな子だねぇ。ここは"ブルーハワイ島"だよ」
『えっ!!!島!!?』
「ん?何でそんなに驚いてんだい?」
『あ、ありがとうございました!!』
怪しがられないうちに、私は八百屋のおばちゃんにお礼を言って店を後にした。
とりあえずここは日本じゃない。
さっきの店で買い物していた客も、日本のお金ではなく、どうやら"ベリー"と呼ばれる単位のお金を使っていた…。
つまり私のバックに入っているお金は使えない。ここでは一文無し。
『これからどうしよう…』
何の宛てもなく街をフラフラ歩いていると、1枚のチラシが目にはいった。
【歌手募集!!!
お代はその日払いです!!!】
『これ!!お代はその日払いって書いてあるし…。今日、宿泊まれる!!』
野宿決定だと思っていたからこれはラッキー!!
私はチラシに書いてある酒場に向かった。
そこがどんな人達が集まる酒場か知らずに。