Ocean's History
□They followed after us
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『着いた』
「………速いな」
サラは敵から奪った船を自分の船の隣に碇を降ろした。
『今から宝を換金しに行く。………来る?』
「お前一人じゃ持てねェだろう…一緒に行ってやるよ」
『……その心配はないけど?“water bird”』
「………そいつがいたんだったな」
サラは水鳥に宝を積むと、ローとともに換金所へ向かった。
「いらっしゃい」
『換金してもらいにきた』
サラは水鳥に積んだ宝を全部換金所の店主に渡した。
「!! これはこれは…サラ様…また今回も多いですなぁ…ちょいとお待ちを」
サラは普段からここで換金してもらっているので店主とは顔見知り。それ以前にいつも莫大な量の宝を持ってくるサラを忘れろという方が無理な話だろう。
今日もいつも通り宝を値踏みしはじめた。
「しめて…8000万ベリーですな」
『そんなもん?…1億よ』
「そ、そんな!!!それじゃ9000万ベリーで…。これ以上は無理です」
『仕方ない…』
「では、ありがとうございました―」
サラ達はお金を受けとると換金所を出た。
「あの海賊が9000万ベリーの宝を持ってるとはな」
『あんなに弱いのにね』
「…………」
『じゃご飯食べる?お腹空いた。………ベポとキャスケットとペンギンくんも一緒に』
急にサラは話題を変えた。たしかに今はお昼時。
「わざわざ呼びにいくのか?……二人でいいだろ」
『気づいてなかったの?……あそこにいるけど』
サラが指差した先を見ても三人はいない。建物がたっているだけだ。
「いないじゃねェか」
『いるよ。この建物の中に』
建物の中……そう言われても透視なんてできるわけないので、わかるわけない。
『でておいで。バレバレだから』
サラがその建物の中に入り、呼び掛けた。
ベポ「………なんでわかったの!!?」
キャス「ありえねぇ!!…オレ達の尾行は完璧だったのに」
ペン「………」
『ね?いたでしょ』
サラは笑いながら三人を連れて出てきた。
「………お前ら、オレを尾行するとはいい覚悟だな。そんなにバラバラになりたいのか」
ローは本気なのか刀に手をかける。
「わっわっキャプテン!!ごめんなさい!!」
『ベポとペンギンくんはやめてあげて』
「「「!!」」」
サラがベポだけでなくペンギンまで庇ったのが不思議だったのだろう。
慌てて謝罪しようとしていた3人の動きが止まった。
「………ベポを庇うのはわかるが、なぜペンギンまで」
『さしずめ、キャスケットが暴走しないようについてきたってとこでしょ?…バラバラにされるのはキャスケットだけでいいじゃない』
キャス「おい、サラ!!?」
「キャスケット…気を楽にしろ、すぐに終わる。“room”」
「ぎゃあ―――!!!!」
真昼の空にキャスケットの悲鳴が響き渡った。