Ocean's History
□He was recruited to her
2ページ/5ページ
『は?』
もはや"質問"ではなく"勧誘"だ。
「もう一度言う。オレの仲間になれ」
キャス「船長!!?何言ってるんですか!?」
ベポ「サラ、仲間になるの!?わ―い!!」
慌てるキャスケットと素直に喜ぶベポ。
『ベポ―!!ありがと―!!…でも、私は仲間にはならないよ』
サラはベポの反応に喜びながらも、はっきりとローの勧誘を断った。
「…なぜだ」
サラにあっさり断られたローは明らかに温度が下がっていた。
『どうして自分から悪党に成り下がらなきゃいけないわけ?』
しかしサラはそんなローの表情など見えていないかの様に笑って答えた。
「えっ!!?サラって海賊じゃないの??」
『ベポ…私は海賊じゃないよ?まぁ海軍何人も倒してるけど』
キャス「なぁ…海軍に手出したらさ、それってもう悪党じゃないの?海賊…とまではいかなくても」
『………そうなの?』
「お前はバカなのか?」
『だって…海軍も"悪党"でしょ?』
「「「………」」」
みんな言葉を失った。サラの言いたい事がイマイチ解らずにいた。
ペン「つまりこういうことだな?"悪党"なのは海軍と海賊。だから海軍に手を出したとしても、それは悪いことではない。海賊も悪党なので、自分は入る気はない」
『そういうこと!!……海軍は正義なんて言葉ほど遠い悪党』
ギリっと奥歯を噛みながらサラは苦しそうに言った。まるで何かを思い出しているかのように。
「………じゃあオレとこい。お前に拒否権はねェ」
『話聞いてた?』
「あァ 聞いてた」
『…それ以上言うと、海に沈めるから。アンタもアンタの仲間も大事な船も』
サラがローを睨み付けながら言うと、焦ったのはペンギンだ。サラはここにきて初めて本気の目をしていた。
「船長!!!」
「………オレは諦めねェからな、サラ」
『………今日はもう帰って』
ペン「あぁそうする。世話になったな」
ベポ「またねっ!!サラ!!」
『ベポならいつでも大歓迎だから!!!いつでもおいで―』
キャス「(ベポ相手だと人変わりすぎだろ…)じゃまたな!!」
「お前は絶対オレの仲間になる」
バタン
最後にローがそう言い残し、3人と1匹はサラの船を降りた。
『なんなの…?』
1人になったサラは、小さくため息をついてそう呟いた。
『海賊なんてただの悪党…。ただ1つ、あの海賊団を除いては…ね』
サラは部屋を出て甲板に行くと、月を眺めながらそう問い掛けた。
『元気にしてるかな…?』