Ocean's History
□Best reason is Bepo
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"海の女神"
それはサラの通り名だ。
水を、海を操るため、またその美しい容姿からそう名付けられた。
『正解』
「ち、ちょっとまってくれ!!」
口を開いたのは、サラに買われた海賊ジェームズだ。彼も海賊だったためサラについての情報や噂などはよく知っていた。
「なんで"海の女神"がおれ達を買ったりしたんだ!!?」
「それはオレも聞きてェな」
『トラファルガー、アンタに答える義理はないでしょ?』
ジェームズの質問に便乗してきたローにサラは素っ気なく言葉を返した。
『早く船から出ていって』
「それは無理だ」
『………なんなのもう』
「諦めろ」
『はぁ…なら力づく』
「キャープテーン!!!」
『!!?』
いきなり誰かを呼ぶ声が聞こえた。その声の主はだんだん船に近づいて来ている。
「ベポか…」
"キャプテン"というのは、どうやらローのことだったらしい。彼は吐息混じりに声の主の名を呼んだ。
『トラファルガーの仲間!?…なぜここがわかったの!?』
海岸を走ってくる者がローの仲間であることがわかると、驚き慌てたのはサラ。ローに続き、ローの仲間にも船の場所がバレてしまった。
「ベポは鼻がいい。オレの匂いをたどってきたんだろう」
ローはそんなサラの問いに答えるかのように呟いた。
「キャプテン!!」
「「船長!!」」
ベポ、ペンギン、キャスケットが船へ上がってきた。
『!!!』
ダダダッ
ボンっ
「うわぁ!!」
ずっと警戒していたサラだが、ベポの姿を見た途端、飛びつき抱きついた。
『…ふかふか……』
みんなが呆気に取られている中、サラはさも気持ち良さそうにベポにすりよっている。
「あ…あの―」
ベポはというと、いきなり飛びついてきたサラに困り顔。
「おい ベポから離れろ」
見かねたローはサラをベポから引き剥がした。