Ocean's History
□It may was destiny
2ページ/4ページ
サラはローが跡を追ってきていることに気がついていた。
『(一体なんなの…?)急ぐわよ!』
サラはオークション会場で落札した9人にそう言い、急がせる。
『“water bird”(水鳥)!!』
サラの"力"の一つ、水鳥(スイチョウ)だ。
『これに乗って』
サラは9人を水鳥に乗せる。
『海岸の私の船まで運んで』
指示を受けた水鳥は空へ羽ばたいていった。
『ふう… さて私もそろそろいかなきゃ』
サラは水鳥をもう一匹出してそれに乗り、オークション会場へ引き返した。
もちろん空を飛んでいるため、ローと鉢合わせしない。
『(トラファルガーは街を探してる… 海岸にさえ行かなければ見つからない)』
海岸といってもここはシャボンディ。
"たくさんある"どころではない。
サラの船を短時間で見つけのは不可能に近い。
『(少なくとも私が帰るまでに見つかることはないでしょ)』
サラは安心していた。大丈夫だと。
サラはオークションン会場に着くと、気配を消し裏口へ回った。
そこではオークションに出品した人拐いグループたちが、会場のスタッフからお金を受け取っている。
サラはその中で一番多くお金を受け取っていたグループの跡をつけていった。
『今もってるお金…全部ちょうだい』
サラは人拐いグループが人気のない道に入ったところで後ろから声をかけた。
今はフードを外している。
「あ゛ぁ?誰が渡すかァ!!!」
『ふ―ん… じゃあ力ずくでいいんだ?』
「ねぇチャンみたいな小娘に奪えるわけねェよ(笑)……ん?キレイな顔してんじゃねぇか。おいお前ら!!捕まえて次のオークションに出品するぞ!!」
「「「お―!!!」」」
人拐い達はサラを捕まえようと一斉に襲いかかってきた。
サラはそれを鮮やかに避ける。
『一致団結してるとこ悪いんだけど… 私時間ないのよね―“water needle”(水針)!!』
プシュ
そう言ったかとおもうと次の瞬間には、人拐い達は誰一人立ってはいなかった。
全員首すじが濡れている。
サラが飛ばした水針が当たったのだ。
水針といえど水は水…。
普通なら小さいし痛くないはずだが、覇気をまとっているため攻撃になる。
『………。一発で倒れちゃった…。これ攻撃力あんまないのに』
水針は広範囲に飛ばせるため大人数の場合有効的だが、一時的に動きを止めるために使う技であまり攻撃力はない。
『魚人を捕まえたグループだからそこそこなのかと思いきや… ガッカリ(笑)』
サラはお金だけ奪うと水鳥に乗って海岸へ向かった。