My Love Story Song
□たった一日の出会いが。
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「いくぞ」
『え!?…どこに?』
「昼食を食いに行く……腹が減った」
確かにお昼だけど…。ローから“腹が減った”なんて台詞が出てくるとはね。
『クスッ』
「何が可笑しい」
『や、だってさ ローが“お腹すいた”って言うイメージないもん』
思わず吹き出してしまうと、案の定顔をしかめたローに私の勝手なローのイメージを伝える。
「どんなイメージなんだ、オレは」
『基本的にご飯を食べないイメージ♪』
「……それならもっと痩せてるはずだろ」
『…ねぇ、自分を鏡で見たことある?十分痩せてるよ?すごく不健康そう……』
「オレは医者だ。自分の健康管理くらい出来ている」
『医者!!?』
初めて聞いたんだけど!!
……ん?よく考えたら私が倒れた時、白衣着てたっけ。
「今さらか…まぁいい。とにかく飯を食いに行く、ついて来い」
『え!!?ちょっと!!置いていかないでよ!!』
一人先に船長室から出たローを慌てて追いかけ、私は船を降り街へ向かった。
『ここって………』
着いたのはマスターのお店。私が一日だけ仕事した場所。
「…ここの料理が美味かったんで、また食いに来たくなったからな」
ガチャン
『マスター!!!!』
「!!!美愛ちゃんか!!無事だったんだな!!本当によかったよ」
『マスタ〜(泣)』
「どうやってあの海賊から逃げた?中々の強者だったろう」
『それが…その……』
「ん?」
なんて説明したらいいんだろう?マスターは完全に私が逃げてきたと思い込んでいる。……というかローはどこ?
「こういうことだ」
グイ
『「!!!」』
いきなり店に入ってきたローに、後ろから肩に手を回された。
「貴様!!あの時の海賊!!!…店で暴れた奴らを追い払ってくれたのは感謝する。だが美愛ちゃんを離すんだ!!」
「コイツが望んだ」
「それはどういうことだ!!?」
「話なら直接本人に聞け」
「…美愛ちゃん」
ローに向けられていた視線が私に移る。
ローには席を外してもらい、マスターにこれまでの経緯と私の気持ちを話した。