Ocean's History
□U and I are friend!!
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『あんまり馴れ合ってたら… 情が移る』
ロー達と別れたサラは、船に戻らず水鳥に乗って空を飛んでいた。
『ん?…あれは海賊船?丁度いい』
“あの船に降りて”サラに言われ、水鳥はゆっくり下降し船に下り立った。
「だれだ!!!?」
急な訪問者に気づいた、海賊船の船員が叫んだ。
『いちいち自己紹介するのは面倒』
「は!!?何いってんだ!?」
「ボニー船長ぉ!!!侵入者です!!」
『ボニー?………ジュエリー・ボニー?』
どうやらこの船はジュエリー・ボニー率いる、ボニー海賊団の船だったようだ。
「あぁ?侵入者だァァ!?」
船員に呼ばれ、イライラした様子でボニーが船内から出てきた。口のまわりが汚れている。きっと食事中だったのだろう。
『こんにちは』
「……だれだ?てめェ?」
サラが笑顔で挨拶するが、ボニーは食事を邪魔された恨みからか睨みつけている。
「!!! 思い出した!!!ボニー船長!!コイツ"海の女神"っすよ!!!」
船員の一人がそう言った瞬間、甲板に集まっていた者は皆凍り付いた。
"海の女神"その通り名は海賊なら誰でも知っている。
それに、最近シャボンディ諸島付近の海で海賊船が襲われ、船ごと奪われる。という事件が頻繁に新聞に報じられていたからだ。
だがサラはそんなことなど全く知らない。
『正解』
「てめェ……船を奪いにきたのかよ!?」
『ん?正解…だけど外れ。アンタ達のは貰わない』
「「「は???」」」
サラの正体がわかり、船を奪われるものかと武器を構えていた船員達は拍子抜けした。
「どういうことだよ!!?船を奪う気がねェなら、何しにここに来たんだ!!?」
『初めは奪うつもりで来た。だけど…ルーキーであるアンタの船なら奪わない』
「なんだよそれ!!?」
『だから…』
ザバンッ
「な、なんだ!!?」
「かっ海王類だぁ!!!」
『……なんでこのタイミングで…』
そこには船を見下ろす、巨大な海王類が現れた。
「おい野郎ども!!砲弾を打て!!」
「「はいっ!!!船長!!」」
ボニーに命じられ、船員達が慌てて砲弾を撃つ準備を始める。
「船長!!!準備が整いました!!」
「よし、撃て―!!」
スカッ
スカッ
スカッ
「お、おい!!何してやがる!!」
「船長!!火薬が全部湿っていて、大砲は使えません!!
「こっちもです!!」
「はぁ!!?」
ウォォォォ
その間にも海王類は船を飲み込もうと襲い掛かってきた。