猫life

□第10話
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[その冊子は何ですか?]

「……? ああ」

藍が読んでいた冊子を見せてくれた。

「キミのマニュアルだよ。レイジ、ランマル、カミュが記入して作ったみたい」

[一体どのようなことが?]

そう尋ねると藍は静かに冊子を引っ込める。

「……秘密」

《!?》

「キミには見せない様にって言われてるから」

ごめんね、と言われて頭を撫でられた。

《あ。ちょっと気持ちいい……?》

「……ホントだ。ここをこういう風に撫でると嬉しそうにする……」

藍が嬉しそうに微笑んだ。

《!! マニュアル本の力!?》

「あ。ダーメ。逃げないの」

抱き寄せられ、身動きが取れない。

《……藍先輩、嬉しそう》

見上げた藍の顔はおもちゃを貰った子供のように輝いていた。

《……まぁ、いっか》

冊子を広げ、嬉しそうにしている藍を見ていると自然とそんな感じがしてくる。

「これは……普通の猫にも有効なのかな?」

「……」

アレキサンダーのように利口な子なら一緒にいても問題はなかったが普通の猫となれば話は別だ。

《まさか、普通猫との同居とか考えてませんよね? 先輩……》

少し冷や汗をかいたのは言うまでもない。





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