猫life
□第9話
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――先程先輩達が話し合い、私のことは交代で泊まらせてくれることになった。
本日はじゃんけんで勝った嶺二の家――
『やったぁー! ぼくちんの勝ちーっ』
《すごい、嶺二先輩の一人勝ち……》
いえーい、と言いながら嶺二がピースをする。
『……チッ』
『……』
『……ふんっ』
蘭丸は出していたパーの手を何かを振り払うかのように振り、藍は自分の出した手をじっと見つめ、カミュはそそくさと出した手を戻した。
『さーてと、帰ろうか、子猫ちゃ――イッタッタタ!?』
手を伸ばしてきた嶺二の頭がバシバシバシと三回叩かれる。
『何かあったら端末からすぐ呼んでよ』
『何かされたらひっかいてやれ』
『何か嫌なことがあれば逃げ出すといい』
コクコク、と頷くと3人はそれぞれ笑いかけてくれた。
《……何かちょっと得した気分?》
少し照れくさくなり思わず俯く。
『ちょっと! 皆、ぼくのことを何だと思ってるのさ!?』
嶺二が頬を膨らませてそう言った。
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