猫life

□第8話
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「とにかく、だよ。元に戻る方法を探さないとね!」

少し重くなりかけた空気を断ち切るように嶺二が元気よく立ち上がる。

「原因がわかってないのにどうやって探すつもりだ?」

すかさずカミュがつっこむ。

「そ、それは……ほら! 四人で協力して探すとか――」

「どうやって?」

嶺二の苦し紛れの言い返しに今度は藍がつっこんだ。

「えっと……聞き込み、とか?」

「猫になった人間が元に戻る方法を知らねぇか、とでも聞くつもりか?」

「うっ……」

バカにしたように蘭丸に言われ、嶺二が静かに椅子に座り直した。

《すみません……嶺二先輩……》

困った顔で嶺二を見上げると「いいんだよ、慣れてるから」と笑顔を見せてくれた。

《……それは慣れない方がいいのでは……》

そう思ったが口に出すのをやめた――否、出せなかった。






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