猫life

□第5話
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「…………」

ふと春歌の方へ視線を向けると春歌はこちらを食い入るように見つめていた。

《な、何だろう……》

「……? どうかしたのか、七海」

それに気がついた翔が不思議そうに春歌に尋ねる。

翔の問いに春歌は少し言いにくそうに口を開いた。

「いえ……この猫ちゃん、何だか似てる気が――」

《……似てる?》

意味深な春歌の言葉に何がだろうかと首を傾げ、考える。

しかし、その思考回路はすぐに邪魔をされた。

「貴様等に構っている暇はない。行くぞ、黒崎」

「にゃっ!?」

カミュにつままれ、肩に乗せられた。

そのままカミュが歩き出すので、落ちないよう必死にしがみつく。

爪を出したら失礼だと思い、何とかしがみついていると目だけを動かしたカミュと目が合った。

《……あ。笑った?》

微笑まれたような気がして瞬きをするが既にカミュは目線を前に戻していた。

「おい、待て! カミュ」

後ろから蘭丸がカミュを追いかけてくる。

「あ……」

去ってしまった彼等を少し名残惜しそうに春歌が見つめる。

「似てるってなんなんだ?」

翔が先程のことを尋ねた。

「以前、猫にされたわたしに……でしょうか……」

少し言いづらそうな春歌の言葉にその場の七人が固まる。

「……いえ、きっと気のせいですね」

ごめんなさい、と春歌は取り繕うように笑った。



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