猫life
□第4話
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《……そういえば飼い主を探しているんだっけ……》
存在しない飼い主探し。
どうすれば自分が苗字であると伝えられるだろうか。
俯き、考え始める。
「……しかたねーな」
立ち上がった蘭丸に持ち上げられた。
「にゃ!?」
突然のことに驚き、飛び降りようとする。
「っ! こら、暴れんなって」
すぐに阻止された。
そんな様子を見ていたカミュが鼻で笑う。
「黒崎は乱暴だからな」
「ああ!?」
蘭丸が抱き直しながらカミュを睨んだ。
「てめぇに言われたかねーよ」
「何だと?」
《……あ。安定してる》
言い争いが始まりそうな二人を横目に蘭丸の腕にピッタリ収まる。
「にゃー」
ありがとうございます、その気持ちを込めて蘭丸に向かって鳴くと蘭丸は照れ臭そうに顔を背けた。
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