猫life

□第2話
3ページ/3ページ





「にゃー」

《お願いします、龍也先輩》

龍也を見上げ、鳴く。

一瞬、驚いたように目を見開いた龍也だったが、すぐにしゃがんで頭を撫でてくれた。

「わかった。今日はここに寝床を作ってやる。只し、悪さはすんなよ?」

「にゃー」

「いい子だな。……つー訳で、お前等はもう行け」

立ち上がった龍也が四人を見る。

「ええっ! 子猫ちゃん! それはないよっ」

嶺二が【ガーン】という効果音をつけんばかりの勢いで言った。

「……仕方ないね。よくよく考えれば仕事場には連れていけないし」

「確かにな……まぁ、日向さんに任せれば大丈夫だろ」

「……そうだな」

藍、蘭丸、カミュが納得する中で、嶺二だけが口を尖らせる。

「むー……ぼくちんも泊まるーっ!」

「泊まらせるか! おまえはこれから収録あんだろうが!」

蘭丸に引きずられるようにして嶺二と蘭丸が出ていく。

「わぁぁんっ! 子猫ちゃーんっ」

「全く……喧しい奴だ」

二人に続き、カミュも部屋から出ていった。

「ボクも行くよ」

ドアに向かった藍がこちらを振り返る。

「……また明日。バイバイ」

フッと微笑み、小さく手を振ってからドアを開けた。

「にゃーん」

笑顔で送ると藍は少し満足そうな顔で次の仕事へ向かった。








.
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ