猫life

□第1話
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「子猫ちゃんだねっ」

「猫だな」

「猫……ふぅん……小さいね」

「なるほどな。小さく無力そうなものだ」

《せ、先輩方!?》

そこには事務所の先輩達がいた。

寿嶺二、黒崎蘭丸、美風藍、カミュの四人がこちらを見下ろしている。

あまりにビックリし、逃げ出そうとする。

「おっと。ちょっと待った」

「にゃ!?」

嶺二にすかさず抱き上げられた。

「可愛いなぁ……。ねっ。この子にしない?」

「あ? ……まぁ、いいが」

「確かに大人しそうだし、ボクも問題ないよ」

「俺も異議はない」

《な、何の話?》

不安気に抱き上げられているまま、嶺二を見た。

「ん? 大丈夫、何も心配しないで?」

「――!」

頬擦りされ、慌てて嶺二の頬を前足で押す。

「あれっ? 恥ずかしかったかな? ごめんねっ」

楽しげに笑う嶺二から目線を反らすと、藍と目があった。

「これが猫……」

「ん? アイアイも抱っこする?」

「……いい。とりあえず、事務所に行くよ」

藍は一度だけ少し名残惜しそうにこちらを見たがそのまま歩き出した。

「だねっ。ランランとミューちゃんも行こー!」

嶺二に抱かれたまま、四人と共に事務所を目指した。







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