詩ノ葉
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ドアを開け、教室に入るとクラスメート達の視線が集まる。
「……」
特にこちらから反応せず、自分の席へ向かう。
嬉しそうに騒ぐ女子達、目を背けたり睨み付けてくる男子達。
ごく一部の無関心な生徒。
《低レベルな人間の集まり場所》
心の中で蔑みながら窓際一番後ろの席に着く。
滅多に学校には来ないので席は固定にしてもらっている。
頬杖を着き、携帯を起動させた。
――――
――
【きら】
〔ナギ、学校… (´・ω・`)〕8:03
【ナギ】
8:10〔ちゃんと来てるよ〕
8:10〔綺羅は心配しすぎ〕
【瑛一】
〔ナギはしっかりしてるから大丈夫だろ〕8:10
【きら】
〔でも……心配、、〕8:11
【瑛一】
〔心配もいいが、綺羅はそろそろ仕事だろ?〕8:12
【きら】
〔(´‐Α‐)〕8:12
【瑛一】
〔そんな顔するな〕8:12
〔ちゃんと来るんだぞ〕8:12
【ナギ】
8:13〔ちょっと待って〕
8:13〔僕、仕事なんて聞いてないんだけど〕
【瑛一】
〔ああ。ナギには言ってないからな〕8:13
【ナギ】
8:13〔はぁ!?〕
8:13〔何で?〕
【瑛一】
〔学校だろ〕8:14
【きら】
〔学校ある〕8:14
【ナギ】
8:14〔同時に言わないでよ……〕
【きら】
〔頑張れ〕8:15
【瑛一】
〔頑張れよ。夕方になったらまた連絡する〕8:15
――
――――
携帯をスリープモードにし、机に項垂れた。
《最悪……》
ため息をつきたくなるのを我慢し、目を閉じる。
聞こえてくるのはクラスメートの雑音(話し声)ばかり。
《こんな所にいるくらいなら仕事したい》
つまらなかった人生の中でアイドルはとても興味深く、心惹かれるものだった。
【アイドル=(イコール)人の心を虜にする】
これが僕の方程式。
《早く学校終わらないかな……》
夜に歌番組の収録がある。
今日はそれだけだと聞かされていたのに……。
《瑛一にやられた》
昨日突然、HE★VENSのリーダーであり、レイジング事務所社長の息子、鳳瑛一が言い出したこと――
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