灰色daysU

□第1話【期待と不安】
1ページ/1ページ





――【好き】


そう、お互いの気持ちを知った日から数ヵ月後。


私達の関係は劇的に変わることもなく――











「黒崎先輩っ!」

バンッとドアを開けると中にいた蘭丸が眉をひそめてこちらを見た。

「てめぇ……何しにきた」

「私の曲を――」

「歌わねーよ! しつけぇ!」

そう言い放つ蘭丸に勝ち誇ったように笑う。

「ふっふっふ……黒崎先輩、今度の曲、誰が作ったと思ってるんですか?」

蘭丸が大きなため息をついた。

「おまえの曲だろ。全員一致で決まった」

「はい! ですから、私の曲を――」

「歌ってやるよ。良い曲だったしな」

立ち上がった蘭丸がこちらに近づき、ポンポンと頭を撫でてくれた。

「行くぞ、ことり」

「はい!」

歩き出す蘭丸の後を駆け足で追っていく。

嬉しさ期待、少しの不安を胸に抱き、思わず笑顔になってしまう。





















――これから起こる出来事も知らずに














.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ