猫life

□第19話
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「あ。先輩方、おはようございます」

廊下で会った四人に挨拶をする。

「オイッスー! ナナシちゃんっ」

「きゃっ!?」

ガバッと嶺二に抱きつかれた。

「ちょっとレイジ、何してるのさ」

ベリッと蘭丸と藍に剥がされる。

「ごめんごめん、ついつい」

苦笑いを浮かべる嶺二の気持ちはわからなくもない。

《私もちょっと慣れちゃったような……》

嶺二と同じように苦笑いをしてから再び先輩達を見る。

「先輩方はこれから収録ですか?」

「まぁな。おまえは……」

聞きかけた蘭丸が黙る。

何故だか少し聞きづらそうだ。

「私は作曲のお手伝いです。それから少し作曲もさせていただけるみたいで……」

代わりに答えると蘭丸が少し微笑んでくれる。

「ほぅ。頑張っているようだな」

カミュが満足そうに言った。

「はい! 先輩方の曲が作れるようになるまで頑張りますっ」

「誰の手伝い?」

嶺二が笑顔で尋ねてくる。

「春歌先輩です」

その瞬間、四人が一瞬固まった。

「……誰の曲の手伝い?」

藍が静に尋ねる。

「え? えっと……ST☆RISH……です」

何となく答えづらかったので語尾が小さくなってしまった。

「「行くよ」」
「「行くぞ」」

四人が声を合わせて言い、スタジオとは別の方へ歩き出した。

「え!? あ、あのっ。先輩方、収録なんじゃ!?」

ビックリして尋ねると嶺二が振り返り、言う。

「ナナシちゃんと最初に仕事するのはぼく等だよっ」

「そ、そんな理不尽な!?」

四人の後を慌てて追いかけた。

















四人のアイドルに憧れた

そんな一匹の猫の話




















end.

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