猫life
□第14話
1ページ/4ページ
《……意外と暮らせるものだなぁ……》
猫としての生活は意外とすんなりと馴染んでいた。
《……【猫】なんだから当たり前……か》
自重気味に笑い、歩き出す。
「にゃー」
《!!》
鳴き声に驚いて振り返る。
「にゃー?」
後ろには数匹の猫とリーダーらしい猫が居た。
《あ……この間の……》
この間、野良猫に追いかけられていたときに助けてくれた猫だった。
「にゃーにゃー」
《うっ……》
一度人間になった代償からか、猫の言葉は全くもってわからない。
《ご、ごめんなさーい!》
慌ててその場から走り去る。
――情けない 何故だか無償に泣きたくなった。
《……泣けるはずなんかないのに……》
.