猫life

□第8話
1ページ/2ページ


「あり得ない……」

藍が小さな声でそう呟いた。

「でも、猫っぽい子ではなかったよね……」

自身を納得させるように嶺二が言う。

「マジかよ……」

「……ふむ……」

蘭丸もカミュも険しい顔をしてこちらを見ている。

「というか、どうしてこうなっちゃったわけ?」

眉をひそめた藍に尋ねられた。

「にゃー」

「……。にゃー、じゃわからないんだけど?」

数秒困惑したような顔をした後、そう言われる。

《はっ! そうだった!》

しっかりしてよね、と言う目で藍に見られた。

[実はその辺りの記憶が曖昧で]

端末にそう打ち込めば藍はあからさまにがっかりした顔をする。

「そう……」

[すみません]

端末の文字を見て藍が一瞬驚いたように目を開いた。

「……にわかにはまだ信じられないけど、キミが謝ることはないと思う」

ありがとうございます、そう思いながら鳴くと藍も少し笑ってくれたような気がした。


.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ