猫life
□第8話
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「あり得ない……」
藍が小さな声でそう呟いた。
「でも、猫っぽい子ではなかったよね……」
自身を納得させるように嶺二が言う。
「マジかよ……」
「……ふむ……」
蘭丸もカミュも険しい顔をしてこちらを見ている。
「というか、どうしてこうなっちゃったわけ?」
眉をひそめた藍に尋ねられた。
「にゃー」
「……。にゃー、じゃわからないんだけど?」
数秒困惑したような顔をした後、そう言われる。
《はっ! そうだった!》
しっかりしてよね、と言う目で藍に見られた。
[実はその辺りの記憶が曖昧で]
端末にそう打ち込めば藍はあからさまにがっかりした顔をする。
「そう……」
[すみません]
端末の文字を見て藍が一瞬驚いたように目を開いた。
「……にわかにはまだ信じられないけど、キミが謝ることはないと思う」
ありがとうございます、そう思いながら鳴くと藍も少し笑ってくれたような気がした。
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