猫life
□第6話
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飼い主探しから数日――
「なかなか見つからないねー」
嶺二が机に伸びる。
「……居ねぇんじゃねーか?」
頬杖をつく蘭丸が面倒そうに言う。
「捨て猫ってこと?」
「もしくは野良猫か」
藍とカミュの発言に四人とも黙り込んでしまった。
《どうしたら、私が苗字だと伝えられるだろう……》
「あ! もう、ぼくん家の子になっちゃう?」
思い付いたようにそう言う嶺二を三人が睨む。
《それは大変素敵なお誘いなのですが……》
首を傾げた嶺二と目が合った。
《私は人間に戻りたいです……》
思わず俯いてしまうと三人が口を揃えて言う。
「無理、だとよ」
「ムリ、だって」
「無理、だそうだ」
「違うでしょ!?」
《……早く人間に戻りたい》
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