猫life

□第4話
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「…………」

「…………」

《…………何か気まずい》

椅子に対峙するように座る二人の前(机の上)に座らせられ、先程から身動きがとれない。

「……寿達はまだなのか」

ようやく口を開いたカミュが蘭丸に尋ねる。

「……仕事だってよ」

蘭丸がぶっきらぼうに答えた。

「ほぉ……」

「…………」

「…………」

《会話が続かない!》

早く誰か来てくれないかと祈っていると突然蘭丸の携帯が鳴り始めた。

「……何だよ」

蘭丸は開口一番、文句を言って電話に出る。

「はぁ?」

蘭丸が呆れたような声を出した。

「……チッ。わかったよ。じゃーな」

乱暴に電話を切った蘭丸にカミュが眉をひそめる。

「何事だ」

「……仕事が長引いて嶺二は来れねーってよ」

ため息混じりに蘭丸が答えるとカミュもため息をついた。

「……美風からも同じような内容のメールが来たぞ」

カミュが携帯画面を蘭丸に見せる。

そこには仕事が長引き、今日は行けないという趣旨の文章が書いてあった。

「マジかよ……」

蘭丸の顔が歪む。

「俺達だけでやるしかあるまい」

「……だりぃ」

蘭丸が椅子の背もたれに体重をのせた。







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