猫life
□第3話
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《ん……》
眩しさを感じ、目を開ける。
《あれ……?》
見慣れない景色に首を傾げた。
立ち上がってみると目線が低い。
《あ……そっか、私――》
【猫】なんだ、と、再び自覚する。
《夢……じゃなかったんだなぁ……》
「にゃぁぁ……」
深くため息をついた時だった。
――ガチャ
部屋のドアが開き、誰かが入ってくる。
「……おはよ」
その人は目が合うとフッと微笑み、近づいてきた。
《藍先輩》
「ちゃんと眠れた?」
頭を撫で、優しく笑う。
「にゃーん」
「キミは利口なんだね」
藍は指でマッサージするように頭を撫でてくれた。
《……人間ですから……》
ため息をつきそうになり、思わず俯いた。
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