猫life

□第2話
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「到着〜」

嶺二に抱き抱えられたまま、やって来たのは事務所の会議室。

「遅かったな。……って、何だ、その猫」

中に入ると椅子に座っていた龍也がこちらを見て目を丸くした。

「ふっふっふー。可愛いでしょっ!? ぼくの子猫ちゃ――」

「拾い猫」

嶺二の言葉を藍が即座に否定する。

「んもうっ! アイアイ、ホントのこと言わないでよっ!」

ぷくっと頬を膨らませる嶺二に抱かれているこちらを見た龍也が眉をひそめた。

「拾い猫? お前等まさか……」

「今度の企画、ぼく達、この子で参戦するから」

ずいっと嶺二に抱えあげられ、宙ぶらりんの状態になる。

「そいつ、本当に拾い猫なのか? 迷い猫じゃなくて」

龍也の問いに四人は視線を反らした。

その様子を見た龍也は深くため息をついて言った。

「……ったく……。迷子の猫を企画に使用しようとするんじゃねーよ」

「だって……。――こんなに可愛いんだよっ!?」

ぎゅっと突然抱き締められる。

「にゃ!?」

ビックリして思わず声をあげると他の三人が駆け寄ってきた。

「レイジ、自重してよ」

「死んじまうだろうが、バカか」

藍に抱かれ、蘭丸とカミュが嶺二の腕を押さえる。

「だってだって!」

駄々っ子の様な嶺二の横でカミュが冷静に言った。

「迷子ならば仕方ない。対策は明日にでも考えればいいだろう」

カミュの言葉に皆、賛同する。

「……とりあえず、今日のところはどうするの?」

藍に顔を覗き込まれた。

「寝る場所とかだな」

「そもそも、誰が連れて帰る?」

カミュの一声で四人の雰囲気が変わる。





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