詩ノ葉

□05
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「早くついてきて」

「待ってよー」

早足のナギの後を駆け足になりながら追う。

「――ぶっふぁ」

突然立ち止まったナギに追突した。

「入って」

「きゃふぁ!?」

ドアを開けたナギに背中を押され、押し込まれるようにして中に入る。

顔を上げると不思議そうにこちらを見つめる人がいた。

「……?」

「ハッ」

ドアの近くに立っていたその人の奥、椅子に座ってる人も目を丸くしてこちらを見る。

「お前は……」

「こ、こんにちは……木ノ川うた、と申しますっ」

慌てて頭を下げた。

「?」

「ナギの友達だ。ほら、ノートの」

後ろの椅子に座っていた瑛一が軽く説明してくれる。

「……皇綺羅……よろしく……」

綺羅が少しだけ口許を緩ませながら言った。

「よ、よろしくお願いします」

頭を下げると綺羅も同じように頭を下げる。

顔を上げて改めて二人を見た。

《鳳さんには改めてだけど二人とも本物のアイドルだぁ……はわぁ……》

小さく感動している様子をナギが冷たく見つめた。

「何、バカしてるわけ?」

「バカって……そんな」

ひどい、と言おうと振り向いたが既に座っていたナギがテーブルを指でトントンと叩く。

「ほら、教科書開いてよ。見てあげる」

「う、うん。お願いします」

座りながら礼を言って教科書を開いた。





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