詩ノ葉

□02
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「えっと……改めておはよう、帝くん」

隣の席でにこりと笑う薄茶の髪の女の子。

「君、誰?」

挨拶を返すことなく冷たく言う。

「あ! えっと、木ノ川うたです」

そんな態度を不快に思うこともなかったのか彼女は慌てて頭を下げて自己紹介をした。

「……ふぅん……」

頭から足までざっと目を通す。

《僕の方が断然可愛い》

心の中でバカにしてから鼻で笑った。

それなのに彼女は相変わらず笑顔だ。

「よろし――」

「君みたいな子、クラスに居た?」

彼女の言葉を遮るように聞く。

「い、居たよ!? 居た!」

「へー」

感情のこもっていない声でそう返事をした。

大抵はそれで引いていくのに【隣の君】は僕に話しかけるのを諦めない。

「これからよろしくね」

笑顔の彼女から逃れるように窓の外を眺めた。





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